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価値体系(value system)  特定の消費財がわれわれの⼿に渡るまでには、さまざま な活動が展開されている。 企業戦略論...

価値体系(value system)  特定の消費財がわれわれの⼿に渡るまでには、さまざま な活動が展開されている。 企業戦略論  value system 第4回  value network 垂直統合とアウトソース  business ecosystem  われわれ消費者は、財・サービスから便益を得ている。 今回はとても難しいので頭をフル回転させて頑張ってください。 (価値を⾒いだしている) 元ネタ ・網倉・新宅(2011)『経営戦略入門』日本経済新聞社, 第12章. ・土屋(1984)『企業と戦略』廣済堂, 第3章. 東洋⼤学 経営学部  企業は、その活動の⼀部を担っている。 ⼭⼝ 裕之 1 2 垂直⽅向の範囲が異なる理由 垂直的範囲の検討  Make/Buyのいずれが合理的かは、個々の企業ごとに異なりえるし、時間の  どちらが⾃社にとって合理的か 経過とともに変化することもある。  現在の事業領域の上流/下流にある活動を  重要なのは、きちんと分析する(下のプロセスを踏む)こと。  ⾃分で⼿がける (make:内部調達/内製) か  それぞれにどういうメリット/デメリットがあるのかを整理し、  他社に委ねる (buy︓外部調達/アウトソース) か  それらに影響を与えうる要因を検討し、  Make/Buyのいずれがより合理的かを判断する。  流⾏に流されたり、伝統に縛られてはいけない。  どちらが合理的 (と考える) かは、直⾯する環境や保有  欧⽶企業では/ライバル企業では・・・、うちは⾃前主義を掲げており・・・ する資源に応じて異なる。  Make/Buyの合理性に影響を与える要因 Make Makeの ? ?  =合理的な垂直的範囲を規定する要因 の合理性 メリット Makeの ? Make/buy デメリット  そうした要因を検討したうえで、合理的な事業範囲 (垂 の ? 直⽅向への進出/撤退) を決定することが、経営陣には求 意思決定 buyの メリット められる。 どういったメリット/デメリットが Buy buyの あるのか、それらはどんな要因に影 の合理性 デメリット 響を受けるのか。 3 4 ① 情報の獲得と保護 垂直的範囲を左右する要因 (情報の獲得) Buy Make ① 情報の獲得と保護 × ○  現在の事業活動の展開にあたり、上流/下流活動に関する情報が 重要な場合がある。 ② 一般的な質 ○ ×  インプットを使いこなすために必要な情報(技術のトレンドなど)  アウトプットを販売するために必要な情報(顧客の好みなど) 上流 ③ 特異的な質(最適化) × ○ 活動 ④ 直接的な費用 ○ ×  情報には、暗黙的なもの/粘着的なものが存在する。 ⑤ 間接的な費用(取引コスト・内部管理コスト) △ △  暗黙知/形式知 (tacit knowledge/explicit knowledge) 自社  粘着的情報 (sticky information) Buy Make  ⾔葉や数字に置き換えることが難しく、伝達が困難な情報 メリット ②一般的な質 ①情報の獲得・保護  e.g.「ぬるぬる」動くスマホ・「かわいいデザイン」 下流 ④直接的な費用 ③専門的な質  その情報の獲得には、その情報が関わる活動を経験する必要がある。 活動 ⑤内部管理コスト ⑤取引コスト  learning by doing デメリット ①情報の獲得・保護 ②一般的な質 ③専門的な質 ④直接的な費用 ⑤取引コスト ⑤内部管理コスト  現在の事業活動の競争⼒を⼤きく左右する情報が、上流/下流に 存在し (の活動を通じて⽣み出され)、その情報が粘着的である ※ これらの要因は必ずしも独⽴していない。また網羅的でもない。 場合、内部化が望ましい これらの要因を1つの評価尺度で⼀律に測定することも不可能。 たとえば、上記メリット・デメリットを数値化し、その総合点の⽐較によって make/buyの優劣を判断する、という単純な分析はできない点に注意。 5 6 ① 情報の獲得と保護 ②と③ ⼀般的/特異的な質 (情報の保護)  現在の事業活動の競争⼒を⽀えていた情報が上流/下流  当該活動 (内容) の⼀般性/特異性 から流出する場合がある。  ⼀般的︓活動内容/アウトプットが他社と同質  e.g. 液晶ディスプレイ技術の流出  特異的︓活動内容/アウトプットが他社と異質 上流  製造装置メーカーを経由して 活動 上流 上流 上流 技術流出が⽣じた、と⾔われている。 活動 活動 活動  e.g. PC(CPUやOS)技術の流出 自社 競合  IBMのPC開発 A社 B社 C社  CPUをIntel 下流  OSをMicrosoftに委託 活動 下流 下流 下流 活動 活動 活動  特定の上流/下流活動を通じて情報流出が⽣じる可能性  ある事業活動が特異的である場合、上流/下流活動の⼀部 がある場合、当該活動を内部化することが望ましい (すべてではない)も特異的となりうる 7 8 ② ⼀般的な質 ③ 特異的な質  上流/下流活動に求める内容 (質) が⼀般的な場合、外部  上流/下流活動に求める内容が特異的な場合、内部調達 調達の⽅が望ましい。 の⽅が望ましい。  Make(内部調達)の場合  Make(内部調達)の場合  当該活動の規模が限定されている  取引が保証されていることに起因して、関係特殊的投資がおこ  競争圧⼒から守られている⽢え 活動の 競争 なわれる。 規模 圧力  Buy(外部調達)の場合  Buy(外部調達)の場合  当該活動の規模の⼤きさ  取引が保証されていないため、関係特殊的投資が⾏われない。  競争圧⼒ 一般的な質  上記の理由から窺えるとおり、常にそうとは限らない (条件付き)  上流/下流の活動において競争圧⼒が働いているか否か 9 10 関係特殊的投資 ④ 直接的な費⽤  活動Aが特異的な場合、 上流 活動  その活動の展開に直接関わる費⽤  活動Aに最適化した上流/下流の(特異的な) 活動は、他の事業活動(BやC)に対する適合  その費⽤は、規模の影響を強く受ける場合がある。 性を喪失する。 活動A 活動B 活動C  規模が⼤きいほど、  機械や⼈員の専⾨化  学習の経済性  活動Aに適した上流/下流の特異的な活動を 下流 展開するための投資=関係特殊的投資 活動  現在の活動を軸に上流/下流活動に進出する場合、それらの活 動の規模は、それらを専業とする企業と⽐べ、劣る場合が⼤ きい(とくに⼀般的な活動であるほど)  上流/下流の特異的な活動が展開される 取引の安定性が担保さ (関係特殊的投資が果たされる)ためには、 れない場合、関係特異 この場合、上流活動を内部調達 ・外部調達の場合 活動Aとの取引が安定的であるという保証 的投資は果たされない。 すべきか、外部調達すべきか? 上流活動(αから調達)の規模:300/月 が不可⽋。 =ホールドアップ問題 ・内部調達の場合 内製 供給業者α 自社の上流活動の規模:100/月 競合他社(αから調達)の上流活動:200/月 特異的な活動については、ホールドアップ問題が⽣じることで、外 部調達が難しい場合がある。この場合、上流/下流にある特異的な活 自社 競合A 競合B 100/月 100/月 100/月 上流活動が最大規模で展開されるのは、 動を⾃社で展開する必要が⽣じる。 11 外部調達の場合 12 ⑤ 間接的な費⽤ ④ 直接的な費⽤ (内部管理コスト・取引コスト) 内製 供給業者α 単  内部管理コスト 位 あ 自社 競合A 競合B  当該活動に直接関与しない費⽤ た り 100/月 100/月 100/月  調整・コミュニケーションに係る費⽤ 費  どのような活動を、どのように進めるのか。 用 最小最適規模は、技術(産業・時  何をどれだけ作るのか 代)に応じて異なる。 規模  特に、複数の⼈々が関わる場合、内部管理コストは増⼤す 最小最適規模 る。  直接的な費⽤に関して、外部調達が常に優れているわけではない。  当該活動が特異的である場合  この場合、当該活動を⼤規模 (⾃社調達量より⼤きい規模で)展開する主 体が存在しない可能性が⾼い。  当該活動が独占されている場合  この場合、当該活動のコストが低くても、調達価格は⾼くなる。  ⾃社調達量 > 最⼩最適規模 (minimum efficient scale) である場合 13 14 ⑤ 間接的な費⽤ まとめ (内部管理コスト・取引コスト) Buy Make 上流 上流 上流  取引コスト(transaction cost) 活動 活動 活動  取引がきちんとおこなわれるために必要なコスト ①情報の獲得と保護 × ○  取引を契約として明⽂化する  契約内容がきちんと履⾏されているか監視する A 取引 B ②一般的な質 ○ × 自社 ③特異的な質(最適化) × ○ ④直接的な費用 ○ ×  取引コストが⽣じる理由 下流 下流 下流  売買 (取引) される財について情報の⾮対称性が存在する場合がある。 ⑤間接的な費用(取引コスト・内部管理コスト) △ △ 活動 活動 活動  限定された合理性 (bounded rationality)  取引主体は、情報の⾮対称性を利⽤して、機会主義的⾏動 (opportunistic behavior) をとろうとする場合がある。  垂直的範囲の決定  価値体系のどこからどこまでを⾃社で⼿がけ、どこからを他社に委ねるか。  個々の上流/下流活動について①〜⑤の要因を検討し、make/buyの何れが合理的かを総 合的に判断しなければならない。  取引コストが⾼くなる場合  ①や④だけで判断しないこと。  取引される財が複雑な場合  活動内容やそれを取り巻く外部環境(PEST)によってmake/buyの優劣は変りうる。  財の測定が困難な場合(e.g.経験財)  この判断を誤れば、致命的な結果につながりかねない。  取引の不確実性が⾼い場合  e.g. 総合電機メーカー  機会主義を抑制する価値観・⽂化が薄い場合 15 16

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