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競争_4~5回【配布】_unlocked.pdf

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⼀般戦略(Generic Strategy)  「同⼀産業において、⻑期的に競合他社に優位に⽴つた めの⼀般的な戦略」(Porter, 1980) 競争戦略論 第4回・第5回...

⼀般戦略(Generic Strategy)  「同⼀産業において、⻑期的に競合他社に優位に⽴つた めの⼀般的な戦略」(Porter, 1980) 競争戦略論 第4回・第5回  製品差別化戦略 コストリーダーシップ戦略  コストリーダーシップ戦略 東洋⼤学 経営学部 ⼭⼝ 裕之 事業戦略を巡る議論の変遷 M. Porterの主張  70年代以前  ⾼い市場シェアから実現される戦略 (コストリーダー  他社より⾼いシェア →他社より低いコスト シップ戦略) は、有効な戦略の1つだが、唯⼀有効な戦  という関係が着⽬される 略ではない  →コストリーダーシップ戦略が唯⼀有効な戦略  70年代以降  市場シェアを絶対視しない⽴場  市場シェアを追求しない戦略の有効性が議論され始める。 → ⾼市場シェアに基づかない戦略  PIMS研究 = 製品差別化戦略  Porterの⼀般戦略(製品差別化戦略) コストリーダーシップ戦略の追求 コストリーダーシップ戦略  コストを下げることで、利益の増⼤を狙う 累積生産量が大きい 学習の経済性 (経験曲線効果) 費用低下 利益増大  コストを下げるためには︖ 生産量が大きい 規模の経済性  コストに影響を与える要因は何か︖ 投資  積極的に規模を拡⼤することで、上のサイクルを回し、 圧倒的なコスト競争⼒を獲得・維持することが重要 規模と学習の経済性 1.規模の経済性  1. 規模の経済性  ⽣産・販売数(=規模)が⼤きいほど、製品やサービス  ⽣産(販売)量が⼤きいほど、より安く製品・サービスを の単位あたり費⽤が⼩さくなる 製造・販売することができる  規模の経済性の源泉  2.学習の経済性  ①分業の効果 (特化/専⾨化の効果)  累積⽣産量が⼤きいほど、より安く製品・サービスを製 造・販売することができる  ②固定費の分散 (⽣産要素の分割不可能性)  ⼤規模化することが、望ましい戦略である。  ③⼯場や設備の費⽤と⽣産能⼒の関係 (技術的経済性) ① 分業の効果 ② 固定費の分散  固定費とは、  分業︓仕事の分割によって、下記の効果を得ることが可  作る(売る)個数に関わらず⼀定(固定)の費⽤ パン屋の例だと、地代家賃・機器や器具・チラシ代・⼈件費など 能となる。   経済的スタッフィング  変動費  教育訓練の短期化  商品やサービスを1個作る(売る)ごとに増えていく(変動する)費⽤  パン屋の例だと、⼩⻨粉・卵・⽜乳・バナナ・チョコレートなど  専⾨化と熟練  共通費の配賦  ⼩⻨粉とオーブンだけでパンの製造が可能で、  機械の発明促進  オーブンが100万円で、パン1個あたりの⼩⻨粉が100円だとして、  ⽣産規模が100個の場合、パン1個当たりの費⽤は1万100円。  段取り替え時間の節約 =(単位当たり変動費︓100円+単位当たり変動費︓1万円)  ⽣産規模が1万個の場合、パン1個当たりの費⽤は200円。 =(単位当たり変動費︓100円+単位当たり変動費︓100円)  ⽣産規模が100万個の場合、パン1個あたりの費⽤は101円。 =(単位当たり変動費︓100円+単位当たり変動費︓1円) 9 10 ③ ⼯場や設備の費⽤と⽣産能⼒の関係 1.規模の経済:まとめ  単位あたり利益  例︓⽯油精製所のタンク 一辺が10m 一辺が100mの  費⽤の⼤部分が材料費 の立方体 立方体 = 単位あたり価格 ー 単位あたり費⽤ (鉄) 表面積 10X10X6 100X100X6  材料費(鉄の使⽤量) 費用 600 60,000 生産量(=生産規模) 単位あたり費用 =タンクの表⾯積 体積 10X10X10 100×100×10 が大きい の低下  ⽣産能⼒(貯蓄能⼒) 0 ①分業の進展 =タンクの体積 能力 1,000 1,000,000 経済的スタッフィング 単位あた 600 /1,000 60,000 / 教育訓練の短期化 り費用 1,000,000 専門化と熟練 =0.6 共通費の配賦 =0.06 機械の発明促進 段取り替え時間の節約 ②固定費の分散 ③設備費用と生産能力の関係 1.規模の経済︓注意点 2.学習の経済性(経験曲線効果)  最⼩最適規模(minimal efficient scale)  「累積⽣産量が2倍になる毎に、単位あたりコストが⼀ 定の割合で低下する」という経験則 単位あたり費用  累積⽣産量・・・それまでに作ってきた製品の数  単位あたりコスト・・・1個作るのにかかる費⽤  ⼀定の割合 = 習熟率 規模  e.g. 習熟率80%  1000個・・・1000円 4000=1000×22 最小最適規模  2000個・・・800円(=1000x0.8) 1000×(0.82)=640  4000個・・・640円(=800x0.8) 13 経験 (曲線) 効果が⽣じる理由 経験効果に関する注意点  経験を積むことで、より効率的・有効的な⽣産活動が  効果が⽣じる理由からわかるように、累積⽣産量の増⼤ 可能になる。 が、単位あたりコストの低減を⾃動的にもたらすわけで  習熟や学習によって労働者の能率が向上 はない。  仕事・作業のやり⽅が⼯夫される(e.g. 専⾨化)  ⼯程の改善  累積⽣産量が増⼤するにつれて、経験が増え、いろいろ  ⽣産設備を効率的に利⽤できるようになる な⼯夫が⾏われる結果、単位あたりコストが低減する。  資源をより有効に活⽤できるようになる(ムダが少なくな る)  つまり、単純にたくさん作ればよいわけではなく、コス  製品の標準化 ト削減の取り組みが必要になる。  製品設計が改善される 【補⾜】 コストリーダーシップ戦略 コストに影響を及ぼす他の要因  範囲の経済性(企業戦略論で) 学習の経済性 累積生産量が大きい (経験曲線効果)  保有資源(競争戦略論第12・13回で) 費用低下 利益増大  組織能⼒(競争戦略論第12・13回で) 生産量が大きい 規模の経済性  組織成員のモチベーション(ミクロ組織論で) 投資  組織設計の優劣(マクロ組織論で)  積極的に規模を拡⼤することで、上のサイクルを回 していくことが重要  などなど 17 コストリーダーシップ戦略の事例 Fordの凋落の理由 フォード ① ⼯場の陳腐化  徹底した⼤量⽣産・⼤量販売による⾃動⾞の低価格化  ⼯場の陳腐化  低コスト化を実現する⽣産・販売⽅法の追求  1917年時点で最先端の(コスト競争⼒を持つ)⼯場であっ たが、数年後にはそのコスト競争⼒は失われる。  単⼀⾞種(Model T)に絞った⽣産・販売  製鉄技術の進化  全国的な販売網の確⽴  Rouge⼯場の製鉄設備の⽣産性は相対的に低下  ⾃動⾞組み⽴てへのベルトコンベヤーの導⼊  可能な限りの垂直統合の実現  徹底した⼯程分析による⼯場管理  ⽣産設備や技術への⼤規模投資  短期的には、規模の経済性をもたらす。  中・⻑期的には、⾜枷となる  時間と供に、⽣産設備・技術は、陳腐化し、その相対的 ⽣産性を低下させる。 Ford凋落の理由 コストリーダーシップ戦略の限界 ② General Motorsとの競争 Fordの事例から  Ford  コストリーダーシップは、有効な競争戦略である。  コストリーダーシップ戦略  ⽣産設備・技術が陳腐化しない限り (⽣産技術の進歩が緩  ⿊いT型Fordの⼤量⽣産 やかな場合)  製品に対する消費者の嗜好や購買⾏動が⼀定である場合  GM  製品差別化戦略  しかし、唯⼀有効な競争戦略ではない。  様々な⾞種・様々な⾊・様々な価格の⾞を⽣産  コストリーダーシップ戦略と製品差別化戦略

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