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情報を伝達するしくみ 私たちヒトのからだには、神経系と内分泌系という 2 つのしくみがあり、これらのしくみによって体内の 状態の変化に関する情報が伝えられることで,からだの状態が調節されている。 神経系の一つである自律神経系では、自律神経のニューロンがからだの各器官に直接つながり、信号を送る ことで情...

情報を伝達するしくみ 私たちヒトのからだには、神経系と内分泌系という 2 つのしくみがあり、これらのしくみによって体内の 状態の変化に関する情報が伝えられることで,からだの状態が調節されている。 神経系の一つである自律神経系では、自律神経のニューロンがからだの各器官に直接つながり、信号を送る ことで情報を伝えている。 一方、内分泌系では、内分泌腺とよばれる器官がホルモンとよばれる物質を血液中に分泌し,血流にのせて ホルモンを運ぶことで特定の器官へと情報を伝えている。 また,からだには常にその状態を感知するしくみがあり,感知した情報を自律神経系や内分泌系が伝達する ことによって調節を行っている。脳の一部である延髄や,間脳の視床下部は,血液の状態などの体内の変化 を感知し、自律神経系や内分泌系を通して各器官のはたらきを調節する。 例えば運動をすることによって細胞の呼吸量が増えると,血液中の酸素濃度が減少し、二酸化炭素濃度が増 加する。この変化を脳の一部である延髄が感知し,その情報を自律神経系を通じて心臓へと伝達する。する と,情報を受け取った心臓は、拍動が速くなる。その結果,血流量が増えたり,血液循環が活発になったり することで,呼吸に必要な酸素が全身の細胞へ速やかに送り届けられるようになる。 神経系は、からだの状態の調節における情報伝達において、重要な役割を果たしている。 神経系とはが多数集まって構成されている。ニューロンは,細胞の一部が突起として長く伸びた構造をして いる。神経系では,ニューロンの興奮によって,からだのさまざまな部分に情報が伝えられる。 ヒトでは、神経系は中枢神経系と末しょう神経系に分けられる。中枢神経系は脳と脊髄からなり、多くのニ ューロンが集合し,判断と命を行う。末しょう神経系は,中枢神経とからだの各器官をつなぐ神経で,中枢 神経から枝分かれして,からだの各都に行き渡っている。末しょう神経系のうち,おもにからだの状態を調 節しているのが自律神経系である。 中枢神経である脳は、大脳、間脳、中脳、小脳、延髄などに分けられる。自律神経系の中枢としてはたらい ているのは、おもに、間脳にある視床下部とよばれる部分である。視床下部は、血液の状態や体温などの体 内の変化を感知すると、自律神経系を通してからだの各器管に命令を出し、そのはたらきを調節する。 間脳と中脳と延髄などをまとめて脳幹という。脳には,生命を維持するために重要な,内臓のはたらきを調 節する機能が集まっている。脳が損傷を受け、脳幹を含む脳全体の機能が停止して回復不可能な状態になる と、脳死と判断される。脳死になると,通常は呼吸や心臓の指動が停止して死に至る。 しかし、人工呼吸器をつけて呼吸を維持することで、しばらくの間、心臓を動かしておくことができる。一 方、脳死に対して、大脳の機能は停止しているが、脳幹の機能が残っている場合を植物状態という。この場 合、呼吸や血液循環などの調節は行うことができる。なお、本人による臓器提供の意思表示および家族の承 諾がある場合や、本人の意思が不明であっても家族の承諾がある場合には、臓器の提供元(ドナー)となり、 脳死後に臓器提供を行うことができる。 大脳 視覚や聴覚などの感覚や、意識による運動、および言語や記憶・思考・意思などの高度な精神活動などの中 枢 間脳 視床と視床下部などからなる。自律神経系と内分泌系の中枢としてはたらく 中脳 姿勢保持や眼球運動、瞳子反射などの中枢 小脳 筋肉運動の調節やからだの平衡を保つ中枢 延髄 呼吸や血液循環などの生命活動にかかわるはたらきの中枢 自律神経は、内臓および平滑筋(内臓を構成する筋肉)や心筋(心機を成する筋肉)、血管、分泌腺などに 直接つながって、信号を送ることで体温や血液循環,消化などのはたらきを速やかに調節している。これら の調節は意識とは無関係に行われる。 自体神経系は、交感神経と副交感神経からなる。交感神経は,おもに活発な状態や興奮した状態のときには たらく。一方、副交感神経は、おもに休息時などのリラックスしている状態のときにはたらく。 多くの場合、内臓などの器官は交感神経と副交感神経の双方の支配を受けており、両者のはたらきは拮抗的 (対抗的)である。 心臓は通常、一定のリズムで自動的に拍動する。これは、右心房にあるベースメーカー(洞房結節)という 部位が意識とは関係なく周期的に興奮するためである。 運動などで組織の酸素消費量が増え、血液中の二酸化炭栄濃度が上昇すると、脳の延髄にある心臓拍動中枢 が二酸化炭素濃度の上昇を感知し、その情報を交感神経によってペースメーカーに伝える。その結果、心臓 の拍動が促進されて血流が多くなり、血圧も上昇して、組織への酸素供給量が増える。一方、運動をやめて しばらくすると,組織での酸素消費量が減り,血液中の二酸化炭素濃度が低下する。すると,心臓拍動中枢 が二酸化炭素濃度の低下を感知し,その情報を副交感神経によってペースメーカーに伝える。その結果,拍 動が抑制され、血圧も もとにもどる。このように,運動をすると拍動数が増加し、運動をやめるとやがてもとにもどるのは、心臓 のペースメーカーが交感神経と副交感神経によって支配されているからである。 自律神経系と同じく,間脳の視床下部が内分泌 系の中枢としてはたらいている。内分泌系では,ホルモン という物質によって情報が伝達される。ホルモ ンは、内分泌線とよばれる器官の細胞でつくられ、血液中に分泌される。分泌されたホルモンは,血液循環 によって全身をめぐり、特定の組織や器官に作用する。内分泌腺には,脳下垂体,甲状腺,副甲状腺、副腎, すい臓などがあり、さまざまな種類のホルモンが分泌される。 中枢神経である脳は、大脳、間脳、中脳、小脳、延髄などに分けられる。自律神経系の中枢としてはたらい ているのは、おもに、間脳にある視床下部とよばれる部分である。視床下部は、血液の状態や体温などの体 内の変化を感知すると、自律神経系を通してからだの各器管に命令を出し、そのはたらきを調節する。

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