コンティンジェンシー理論 PDF

Document Details

InfluentialDeciduousForest4587

Uploaded by InfluentialDeciduousForest4587

東洋大学

Akira HACHISU

Tags

コンティンジェンシー理論 組織論 経営学 管理システム

Summary

コンティンジェンシー理論に関する講義資料です。コンティンジェンシー理論、バーンズ&ストーカーの研究、ウッドワードの研究、ローレンス&ローシュの研究が扱われています。

Full Transcript

1. コンティンジェンシー理論 2. バーンズ&ストーカーの研究 3. ウッドワードの研究 4. ローレンス&ローシュの研究 コンティンジェンシー理論とは︖...

1. コンティンジェンシー理論 2. バーンズ&ストーカーの研究 3. ウッドワードの研究 4. ローレンス&ローシュの研究 コンティンジェンシー理論とは︖ 第3回講義 ◆ 1960年代〜70年代に発展した理論 コンティンジェンシー理論 それまでの組織論 経営学部 蜂巣 旭 Akira HACHISU 組織の目的達成のために、どのような組織が合理的か︖ あらゆる組織に適⽤できる最善の組織構造や管理⽅法を提案 コンティンジェンシー理論(状況適合理論) 業績の良い組織が、すべておなじ管理システムを採⽤しているわけではない 市場環境や技術環境によって、最適な組織のあり⽅は異なる 適合 適合 環境A 組織A 環境B 組織B 1 1. コンティンジェンシー理論 2. バーンズ&ストーカーの研究 3. ウッドワードの研究 4. ローレンス&ローシュの研究 1. コンティンジェンシー理論 2. バーンズ&ストーカーの研究 3. ウッドワードの研究 4. ローレンス&ローシュの研究 コンティンジェンシー理論の代表的な理論 バーンズ&ストーカーの研究(1961) ◆バーンズ&ストーカー(1961) 英国の20社を調査 環境と管理システムの適合関係 技術や市場といった環境要因が企業内部の組織構造と関連性を 持つことを発⾒ ◆ウッドワード(1965) ◆スコットランドの伝統的な電気機器会社 技術と組織構造の適合関係 激しい環境変化で⽣き残る組織、失敗する組織の違いは︖ ◆ローレンス&ローシュ(1967) 既存製品の市場縮小 エレクトロニクス産業 環境と組織の分化・統合との適合関係 (環境変化) に進出 技術、市場ともに変化が ◆トンプソン(1967) 激しい 環境からの影響に対する組織の対処活動 多くの企業が失敗 2 3 1. コンティンジェンシー理論 2. バーンズ&ストーカーの研究 3. ウッドワードの研究 4. ローレンス&ローシュの研究 1. コンティンジェンシー理論 2. バーンズ&ストーカーの研究 3. ウッドワードの研究 4. ローレンス&ローシュの研究 機械的管理システムと有機的管理システム 環境と管理システム 有機的 管理システム 情報を持ち ①環境変化が激しく、不確実性が 高い トップ 意思決定 ・従業員の職務が細分化 規則を作る ・・・現場に近いところで柔軟に対応可能 ・公式的な手続きや規則が多い ・階層構造に基づく垂直的な命令系統 有機的 管理システムが適している ・情報が組織の上位に集中 命令や規則に 部下 従えばよい 機械的 管理システム 機械的に業務を こなすだけ ②環境が安定的で、不確実性が 低い ・従業員の職務内容は柔軟 【官僚制組織】 ・・・対応⽅法が明らかなので、合理的に計画された ・明確な規則や手続きに縛られない ⽅法で機械的に対応する ・水平的なインフォーマルなコミュニケーションが重視 ・情報や意思決定の権限が組織内に分散 機械的 管理システムが適している 4 5 1. コンティンジェンシー理論 2. バーンズ&ストーカーの研究 3. ウッドワードの研究 4. ローレンス&ローシュの研究 1. コンティンジェンシー理論 2. バーンズ&ストーカーの研究 3. ウッドワードの研究 4. ローレンス&ローシュの研究 ウッドワードの研究(1965)︓技術と組織構造 ウッドワード︓技術の複雑性と⽣産システムのタイプ 小 ①顧客の注文に応じる単品生産 英国の100社を調査 ②プロトタイプの生産 単品・小規模な 技術 の 広く普及していた「普遍的な」管理原則や公式の組織構造を、 バッジ生産 ③段階ごとに分けての巨大設備の組み立て 現実の企業がどの程度活用し、それによってどの程度成果を あげているか調査 ④顧客の注文に応じた小規模なバッチ生産 古典的な管理原則の採用と業績の間には、はっきりした関係を ⑤大規模なバッチ生産 みつけられなかった 大規模バッチ・ ⑥流れ作業による大規模なバッチ生産 技術の複雑性 と や管理方法との間に密接な関係が 組織構造 大量生産 ⑦大量生産 あることを発見 ⑧多目的プラントによる化学製品の断続的生産 大 装置生産 ⑨液化装置による液体、気体、結晶体の連続生産 7 8 1. コンティンジェンシー理論 2. バーンズ&ストーカーの研究 3. ウッドワードの研究 4. ローレンス&ローシュの研究 1. コンティンジェンシー理論 2. バーンズ&ストーカーの研究 3. ウッドワードの研究 4. ローレンス&ローシュの研究 ウッドワード︓技術の複雑性と⽣産システムのタイプ ウッドワード︓技術の複雑性と⽣産システムのタイプ 小 小 ①顧客の注文に応じる単品生産 ①顧客の注文に応じる単品生産 単品・小規模な ②プロトタイプの生産 単品・小規模な ②プロトタイプの生産 技術 の複雑性 技術 の複雑性 バッジ生産 ③段階ごとに分けての巨大設備の組み立て バッジ生産 ③段階ごとに分けての巨大設備の組み立て ④顧客の注文に応じた小規模なバッチ生産 ④顧客の注文に応じた小規模なバッチ生産 ⑤大規模なバッチ生産 ⑤大規模なバッチ生産 大規模バッチ・ 大規模バッチ・ ⑥流れ作業による大規模なバッチ生産 ⑥流れ作業による大規模なバッチ生産 大量生産 大量生産 ⑦大量生産 ⑦大量生産 ⑧多目的プラントによる化学製品の断続的生産 ⑧多目的プラントによる化学製品の断続的生産 大 大 装置生産 装置生産 ⑨液化装置による液体、気体、結晶体の連続生産 ⑨液化装置による液体、気体、結晶体の連続生産 8 8 1. コンティンジェンシー理論 2. バーンズ&ストーカーの研究 3. ウッドワードの研究 4. ローレンス&ローシュの研究 1. コンティンジェンシー理論 2. バーンズ&ストーカーの研究 3. ウッドワードの研究 4. ローレンス&ローシュの研究 ウッドワード︓技術の複雑性と組織構造の類似性 ローレンス&ローシュ(1967)『組織と環境』︓環境と組織プロセス 単品・小規模な 大規模なバッチ 装置生産 分化 バッチ生産 ・大量生産 環境に適応するために組織が行う「 」と「統合」という 熟練労働者の割合 高い 低い 高い プロセスに注目 組織体制 有機的 機械的 有機的 組織の直接的な「 タスク環境 」における、「複雑性」と 「不確実性」への対処に注目 少数 少数 専門スタッフ 多数 (経験・コツ) (科学的知識) 環境の複雑性 組織活動にかかわる外部要素の数や異質性の程度 生産統制 少ない 精密 少ない → 多数の多様な部品会社や顧客と取引するか︖ コミュニケーション 口頭 文章 口頭 環境の不確実性 環境要素の不安定性と将来の予想可能性の程度 → 環境変化が激しく、将来の予測は困難か︖ 両端が類似 9 10 1. コンティンジェンシー理論 2. バーンズ&ストーカーの研究 3. ウッドワードの研究 4. ローレンス&ローシュの研究 1. コンティンジェンシー理論 2. バーンズ&ストーカーの研究 3. ウッドワードの研究 4. ローレンス&ローシュの研究 職能部門と タスク 環境︓ローレンス&ローシュ(1967) 分化の程度を測定する尺度 タスク 環境 ①目標志向 組織が対処する環境のこと どのような目標を志向しているのか ②時間志向 本社 短期志向 or 長期志向 統合 ③対人志向 研究開発部門 分化 製造部門 分化 販売部門 対人関係を仕事中心に考えるのか、人間志向か 対応 対応 対応 ④構造の公式性 管理階層の数、監督者比率、業績評価の頻度 タスク環境: 科学環境 技術・経済環境 市場環境 ※ 好業績の企業は、それぞれの環境特性に合わせて部門の分化が進んでいた 11 12 1. コンティンジェンシー理論 2. バーンズ&ストーカーの研究 3. ウッドワードの研究 4. ローレンス&ローシュの研究 1. コンティンジェンシー理論 2. バーンズ&ストーカーの研究 3. ウッドワードの研究 4. ローレンス&ローシュの研究 好業績の企業の特徴︓ローレンス&ローシュ(1967) 不確実性および業績と分化の程度 研究開発部門 ①不確実性が高い産業ほど分化の程度が高い 新技術の開発やその応用を目標としている メンバーは問題を長期志向でとらえている 低 高 仕事を基準に対人関係を処理している 産業の不確実性 組織の公式性は低く、有機的管理システムに近い 低 分化の程度 高 販売部門 顧客へのサービスや市場地位などの市場目標を志向 メンバーは問題を短期志向でとらえている 人間関係を優先して対人関係を考えている ②好業績な企業ほど分化の程度が高い 組織の公式性は高かった 低 高 企業の業績 全社として 部門間のコミュニケーションは良好で強い協力関係 低 分化の程度 高 → 高度な統合 13 14 1. コンティンジェンシー理論 2. バーンズ&ストーカーの研究 3. ウッドワードの研究 4. ローレンス&ローシュの研究 1. コンティンジェンシー理論 2. バーンズ&ストーカーの研究 3. ウッドワードの研究 4. ローレンス&ローシュの研究 統合メカニズムとコンフリクトの解決メカニズム 不確実性と分化・統合のレベル︓ローレンス&ローシュ(1967) 分化が進むと、部門間のコンフリクト(対立)が頻発する ①不確実性が高い環境で好業績をあげていた企業 総合 メカニズムが必要に 分化と統合のレベルは高かった 統合担当者または独立した統合担当部門が以下のように ②不確実性が低い環境で好業績をあげていた企業 部門間の調整を行う ①各部門の事情を理解しバランスのとれた配慮を行う 分化と統合のレベルは低かった ②公式の権限だけでなく、専門知識や能力にもとづいて影響力を行使 ③関係部門を含む組織全体の業績に関心を持つ 低 環境の不確実性 高 ④部門間でコンフリクトが発生したら、問題回避(双方に自己主張を やめさせる)や強制ではなく、徹底討論で解決する 低 分化と統合のレベル 高 15 16

Use Quizgecko on...
Browser
Browser