医療倫理に関するクイズ

現代医療論の概要

• 医学と医療は異なる概念。医学は科学としての側面、医療は患者実践に関わる。
• 現代医療論の目的は、現代の医療を理解し、問題点を考察し、基礎的な知識を習得すること。

生命と死

• 生活の質（QOL）は身体的、心理的、社会的、経済的要素を含む。
• 日常生活動作（ADL）：歩行、摂食、着衣、洗面、入浴、排泄など、主に身体的動作を指す。
• キューブラー・ロスの「死への対応の5段階説」は否認、怒り、取り引き、抑うつ、受容を含むが、すべての患者がこの段階を経るわけではない。

健康の定義と国際生活機能分類

• WHOは健康を「身体的、精神的、社会的に完全な状態」と定義。
• 国際生活機能分類（ICF）は健康状態に影響する要因を生活機能、背景因子によって区分。

社会と健康

• 健康の社会的決定要因には収入、教育、環境、雇用、ソーシャルサポートが含まれる。
• ソーシャルサポートは精神機能の維持に重要であり、情緒的、手段的、情報的、評価的サポートの4種類がある。

高齢化と健康

• 高齢者の身体機能は低下し、記憶力や計算力も影響を受ける。
• 疾患を持ちながらもQOLを維持することが重要で、社会的孤立を防ぎ、ソーシャルサポートが鍵となる。

医学の歴史

• ヒポクラテスは「医学の父」と呼ばれ、自然治癒力を重視。
• 解剖学の基礎を築いたヴェサリウス、全身の血液循環を解明したハーベイが西洋医学を発展させた。

臨床疫学とEBM

• 医学は研究で、医療はそれを患者に応用する。
• エビデンスに基づく医療（EBM）は、観察や実験に基づいた治療法を患者に適用することを重視。

日本の人口動向

• 日本の人口は2022年に約1億2494万人、高齢者は3558万人（高齢化率28.1%）。
• 2050年には人口が約8808万人に減少予測。

社会保障制度

• 日本国憲法第25条は全ての国民に健康で文化的な生活権を保障。
• 社会保険制度は医療保険、介護保険などが含まれ、国民全体が医療保険に加入する体制。

公衆衛生と保健

• 日本には一般公衆衛生行政、労働衛生行政などがあり、健康づくりを支援。
• 産業保健では労働者の安全と健康を確保する法律が存在。

リハビリテーションの重要性

• リハビリテーションの目的は、迅速な社会復帰を目指すこと。
• 多職種によるチーム医療が重要であり、看護師が中心的な役割を果たす。

高齢者の介護制度

• 要介護者が増加しており、2035年には介護職員が253万人必要と予測。
• 介護保険制度は、要介護度に応じた支援を提供し、地域密着型サービスの導入が進んでいる。### 医療倫理
• 医療倫理は生命倫理の重要な一部を形成する。
• 主要なテーマには、人間生命の始期（遺伝子操作や人工授精）、質（治療方針や臓器移植）、終期（死の定義や安楽死）が含まれる。
• 医療倫理の4原則：
  • 患者の自主尊重原則：自己決定権の尊重。
  • 善行原則：患者にとって良い行動。
  • 無加害原則：患者に害を与えないこと。
  • 公平・正義の原則：全患者を公平に扱うべき。
• 自主尊重原則と無加害原則は矛盾する場合があり、特に安楽死に関する問題が重要。

患者の権利

• 「ヒポクラテスの誓い」は医師倫理の原点。
• 「ナイチンゲール誓詞」は看護の職業意識を高めた。
• 患者には、良質な医療、選択の自由、自己決定権、情報へのアクセス権などがある。
• 自己決定権は患者自身による治療方法の選択を強調するが、医師によるパターナリズムは批判される傾向がある。
• インフォームドコンセントは、患者の真実を知る権利と、医師の説明責任を定義する。

研究倫理

• ニュルンベルク綱領は被験者の自発的承認を強調。
• ヘルシンキ宣言は研究被験者の福利を優先する原則を掲げている。
• 倫理審査委員会での承認が必要であり、インフォームドコンセントが重要とされる。

医療事故

• 医療事故は医療従事者の過失か不可抗力によるものとされる。
• ハインリッヒの法則は、1件の重大事故の背後に29件の軽微な事故および300件のインシデントが存在することを示唆。

医薬品

• 医薬品は診断・治療・予防に使われる物質。
• 医療用医薬品は医師の処方せんに基づき利用され、一般用医薬品は誰でも購入可能。
• 医薬分業制度は調剤薬局での健康指導を強調し、患者の服薬アドヒアランスを向上させる。

新薬の開発

• 前臨床試験では動物を用いた安全性の検討が行われ、臨床試験ではヒトへの投与が行われる。
• 臨床試験は第Ⅰ相から第Ⅳ相まで段階があり、安全性と有効性を検討する。
• 後発医薬品は先発医薬品の特許が切れた後に登場し、価格が安価になる。

ポリファーマシー

• 多種類の医薬品の服用による健康への悪影響が問題視。
• 高齢者において、同様の副作用が増強される可能性がある。

最先端医療

• 1997年に日本で「臓器の移植に関する法律」が制定され、脳死の基準も定められている。
• 生殖補助医療の一環として無侵襲出生前診断（NIPT）が行われ、遺伝子診断の重要性が増している。

医療経済学と医療政策

• 国民医療費は1965年度から2017年度にかけて顕著に増加している。
• 医療技術の進歩と高齢化が医療費への影響として挙げられている。

遺伝子とゲノム

• セントラルドグマには複製、転写、翻訳の3段階がある。
• ヒトゲノムは全ての遺伝情報を持ち、約21000個の遺伝子が存在。
• ゲノム医学はがん治療などにおいて進展し、遺伝子診断の重要性が増している。

このクイズでは、医療倫理の基本概念、自己決定権、医療過誤、無侵襲出生前診断、医薬分業制度、ポリファーマシーについて学びます。現代医療における倫理的な問題を深く理解するための内容です。