IoTによる競争環境の変化 PDF

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この資料は、IoT(Internet of Things)による競争環境の変化に関するプレゼンテーション資料です。グローバルな競争環境の変化、IoTの現状、IoTに関する国際規格の形成に向けた競争と協調、その他の技術変化について解説しています。

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1.グローバルな競争環境の変化 マクロ組織論 (1)IoT︓Internet of Things IoTによる競争環境の変化 ICT...

1.グローバルな競争環境の変化 マクロ組織論 (1)IoT︓Internet of Things IoTによる競争環境の変化 ICT Information and Communication Technology M2M Machine to Machine 経営学部 蜂巣 旭 Akira HACHISU PC、タブレット、携帯電話など、あらゆ 通信によって機械と機械が⾃律的につながる る情報端末がインターネットでつながる 必ずしもインターネットを使う必要はない オープンなつながりである傾向 クローズドなつながりであることが多い Internet of Things IoT あらゆるモノがインターネットでつながる モノにセンサーが埋め込まれ、その情報がインターネットを通じて 収集、分析、活用できるように オープンなつながりを目指して複数の規格が乱⽴ 2 ICT(Information and Communication Technology)・・・ITの発展版 IoT(Internet of Things︓モノのインターネット) (出典)Panasonic HP 3 AI(人工知能)、ビッグデータの分析が重要に︕ 4 (2)IoTに関する国際規格の形成に向けた競争と協調 IoTでさまざまな モノをつなぐ インダストリー4.0 ドイツ政府による製造業の競争⼒を維持・強化する政策 → ドイツ科学技術アカデミー(Acatech)が提言 リモートコントロール ヘンニヒ・カガーマン(SAP元社⻑、Acatech会⻑)が中⼼になってまとめた 情報の獲得 → 産官学のプロジェクトで、製造業の第4次産業革命を目指す 効率的な開発・⽣産 → ⽣産効率の⾼い「スマート工場」を実現したい などが可能に 企業(工場)ごとの効率化だけでなく、業界全体で効率化 さまざまな業界や利害関係者を巻き込み合意形成を⾏う努⼒中 標準化の取り組み Industry 4.0(独) SAP、ボッシュ、シーメンスが中核企業(約40社が参加) Industrial Internet(GE) 5 11 インダストリアル・インターネット・コンソーシアム(IIC) 目指す効果 米GEのインダストリアル・インターネット戦略が基礎 ①最適なスケジューリング データ &物流の実現 → GE、AT&T、Cisco、IBM、インテルなどが中核企業(約160社が参加) ②コネクテッドな製品の開発 提案、制御 IoT時代におけるオープン技術による共通アーキテクチャと Predixクラウド ③インテリジェントな環境の データ 実現 エコシステムの構築を目指す 各種データ ④保守管理の最適化 (稼動、操作など) → インダストリー4.0のような、技術の標準化を目指さず 提案、制御 ⑤分析⼒の向上・活用 → GE︓プレディックス(Predix)という統合プラットフォームを構築 データ ⑥設備性能の最適管理 ※2016年2月、プレディックス・クラウドを発表 ⑦オペレーションの最適化 提案、制御 産業、医療、交通などターゲットとする業界は広範囲 ⽇本では、ソフトバンクが代理店となり、法人に 風⼒発電、都市開発、⽯油・ガス、電⼒・配電、鉱⼭、航空、 Predixクラウドを販売(LIXILが採用) 交通、⽔道、医療、⾃動⾞、工場など 12 → LIXIL︓施工職人の割当て・スケジュール管理 14 IoTの活用例 API、関連サービス、データ 航空分野 分析、アセット管理、データ管理、 機体やエンジンの特性などに応じて最適な⾶⾏ルートを提案 セキュリティなど エンジンから出⼒されるデータを蓄積・分析し、最適な保守の時期を通知 燃費の向上、突然の故障による欠航の回避 Predixクラウド 開発 各種データ 鉱⼭分野 GEの製品 データ収集 (稼動、操作など) 開発者 機器の操作 ⼤型の無人建機の⾛⾏を最適化(⾛⾏経路、ブレーキやアクセルの制御など) 分析結果 燃費の向上、故障の回避 制御 鉱⼭全体で作業員のオペレーションを最適化 GE以外の製品 人件費の抑制 運用担当者 15 16 両陣営の提携を発表(2016.3) Predixの外販で提携 次世代鉱⼭機械の開発 インダストリアル・インターネット・ コンソーシアム(IIC) 航空機エンジン の開発 創⽴企業 インダストリー4.0 コンバインドサイクル発電システムを 米GE、米AT&T、米IBM、米インテル、 世界で共同展開 独BMW、米IBM、独SAP、 ABB、IBM、シスコ、 米シスコ 独シーメンス、米シスコ、 シーメンス、ボッシュ ⽇本企業 独ダイムラー、独VW、米ABB、 など NEC、コニカミノルタ、東芝、⽇⽴、 独ドイツテレコムなど 富士電機、富士通、富士フイルム、 小型ジェット用の エンジン開発 ルネサスエレクトロニクス、三菱電機など その他 米アクセンチュア、韓国サムスン電子、 中ファーウェイ、米HP、 医療診断用のエックス線撮影装置 米マイクロソフトなど 17 18 GEのDX戦略およびPredixの現在 (3)その他の技術変化②︓人工知能(AI) Predix開発の過程で、GE内のビジネスユニット(BU)間で意⾒の相違あり 人工知能の分類と発展段階 →事業単位でのIT組織ごとに、既存ビジネスをサポートする義務があり、 基盤となるプラットフォーム、アーキテクチャ、技術、ベンダーが異なる レベル1︓単純な制御プログラム 例)温度が上がる/下がる → スイッチをON/OFF GEデジタル(外部採用の人員が⼤部分)と伝統的なGE人材とのコンフリクト →伝統的なGEのビジネス(及び人材)にPredixの価値を理解してもらうのは困難 レベル2︓対応パターンが非常に多いもの →レガシーインフラの依存度が低い事業のみがPredixを受け入れるのみ 例)探索や推論。お掃除ロボット、囲碁プログラム、質問に答える人工知能。 Predix cloud(⾃社クラウド)の断念 レベル3︓対応パターンを⾃動的に学習するもの →アマゾンとマイクロソフトが⼤規模なデータセンターを建設し、GEは⾃社 例)機械学習。検索エンジンやビッグデータ分析で活用。 クラウドを断念。アマゾンのAWS、マイクロソフトのAzureと提携。 競合IoTプラットフォームの成⻑ レベル4︓対応パターンの学習に使う特徴量も⾃⼒で獲得するもの →シーメンス(独)のMindSphereのシェアが拡⼤し、Predixよりも⾼い利益率。 例)ディープラーニング(深層学習)。知識や思考に必要な特徴量を⾃ら抽出する。 →PredixはGE社内開発向けのプラットフォームとして開発し、外部にとっては → IBMのWatsonを利用したソフトバンクのPepperは感情を抽出可能 ソフトが開発しずらい(使い勝⼿が良くない) 19 (4)その他の技術変化④︓ドローン (5)その他の技術変化⑤︓FinTechによる⾦融技術の変化 竹中工務店は、吹⽥市⽴スタジアムの工事 記録撮影、安全確認、⿃害対策に活用 ⾦融(Finance)+ 技術(Technology)による造語 ドローンの主な機能 全⾃動型家計簿、人工知能を用いて格安の⼿数料で資産運用をするロボアドバイザー、 ⾶ぶ スマートフォンによるカード決済、指紋認証で引出せるATM、ブロックチェーン(電子 通貨の基盤技術)によるデータ保存など ⿃害対策、ドローンを利用したショーやレース 融資 運ぶ ドローン配送、医薬品や救命用具の緊急輸送、 (出典)竹中工務店HP 農薬散布、空⾶ぶ基地局としてネットアクセス提供 決済 調べる 空撮、測量、不審者の発⾒や追跡、農作物の⽣育 状況把握、デジタルカメラで撮影し3Dモデル作成 (google) (JPモルガン・チェース) 20 21 Kabbageによる顧客の信用⼒産出(与信審査) 2.⽇本企業のIoT 融資を申込む中小企業は、普段利用している会計クラウドサービス、クレジット決済 サービス、ECサイト、SNS(Twitter, Facebook)を登録する必要がある (1)コマツ 融資依頼 IoTの導入で先⾏しているのが、建機メーカーのコマツである。 中小企業 コムトラックス(KOMTRAX) 最短6分で融資 2001年から標準装備 登録 全世界で約40万台ある⾃社製建設機械の稼働状況をリアルタイムで把握するシステム 会計クラウドサービス 人工知能 IoTを利用した「機械の⾒える化」 (融資を審査) 決済サービス → 壊れる前に修理に駆け、メンテナンスを paypalなど ECサイト ⾏うサービスを展開 情報取得 amazon, ebay, Yahoo → 効率的な建機の使い⽅、燃費の節約⽅法、 クレジット決済サービス 負荷の低減⽅法を代理店が提案 SNS Twitter, Facebook 22 23 スマートコンストラクション(2015.2〜) コムコネクト(2015.9〜) 工事現場と施工の⾒える化によって、作業効率を改善する課題解決策 ICT建機が施工した現場の⾒える化を実現したクラウドサービス 数百万ヵ所の測量が、ドローンによってわずか10〜15分で実現 建設現場に関わるすべての人、機械、土についての情報をICTでつなぎ、解析やシミ → 人⼿であれば、2人の作業員で、多くとも1⽇数⼗ポイントしか測量できなかった レーション、提案を⾏う 1⽇以内に現場の3次元データを⾃動⽣成 スマホ、タブレット、建機搭載モニター、事務所のPCからアクセス可能 3次元データをICT建機に送信すれば、現場の施工をすぐに開始できる ICT建機を導入する約半数がコムコネクトを活用 無人ダンプトラック(2008〜) 超⼤型ダンプトラックを運⾏管理 完全無人稼働を実現 リオティント社と150台導入の契約締結 (2011.11) 25 26 (3)キーエンス (4)トヨタ︓TRI 無借⾦経営、業績連動型報酬(平均年収は約2,000万)でも有名 2016年 シリコンバレーにTRI(Toyota Research Institute, Inc.)を設⽴ ⽇本企業としては時価総額が3位[2022.1.6時点] 人工知能の研究開発拠点であり、5年間で10億ドルを ①トヨタ⾃動⾞(37兆7773億円) ➁ソニーグループ(18兆4370億円) 投資する計画 ③キーエンス(17兆5328億円) ④⽇本電信電話(11兆9055億円) ⑤リクルートホールディングス(11兆2391億円) ⑤東京エレクトロン(10兆44198億円) 元DARPA(国防⾼等研究企画局)でロボティクスの 世界的権威であるギル・プラットがCEOに就任 FAセンサーが主⼒製品 → 機械などが正常に働いているかを監視 ⾃動運転用AI、屋内用ロボットの基礎研究 製品(FAセンサー等)だけでなく、課題解決策を売る → Googleなどが目指す⾃律運転とは違い、運転者が主の → 代理店を介さず、⾃社の営業マンが直販 「事故が不可能なクルマ作り」(⾼度な運転⽀援)を目指す → 営業マンは顧客の製造現場に深く入り込み、顧客も気づかないよう な課題やニーズを掘り起こし、課題解決策を提示 28 29 トヨタのコネクテッドカー(つながるクルマ) (5)積⽔ハウス 2020年までに、発売するほぼ全ての乗用⾞をネットにつなげる 2014年、全社のデータをIT部門に一元化 → ⾛⾏履歴やセンサーで得た情報を、⾞載通信機器を通じてサーバーに送信 → サーバーからは最新の地図データや各種機能をダウンロードできる テスラは、⾃動運転機能や燃費向上機能を、アプリ販売(クルマがダウンロードする) 開発 ⽣産 → 2019年までに、世界中で異なる⾞載通信機を共通化 政策や顧客の情報を踏まえて、 必要な部材の量を正確かつ事前 これまでは、各国の通信規格の違いにより共通化ができなかった 適切な商品をタイムリーに投入 に把握し⽣産を平準化 部材の共同配送を効率化 → KDDIが世界各国の通信事業者の回線を調達 → トヨタとKDDIは、このプラットフォームを他社にも開放する⽅針 → 世界販売台数1位のトヨタは、最もビッグデータを取得しやすい(情報⼒が競争⼒に) IT部門 A国の通信会社 販売 サポート KDDI 顧客への提案段階で正確な⾒積 設計、⽣産、施工時の情報を詳 データセンター が分かり、納期を正確に提示 細に把握でき、対応の質が向上 B国の通信会社 30 31 コスト削減のため物流改革 ドライバー不⾜や運賃⾼騰にも対応 (6)ヤンマー&コニカミノルタ ヤンマーヘリ&アグリとコニカミノルタなどのコンソーシアム(2014年〜) ⽔⽥への無人ヘリによる散布作業の省⼒化、最適な肥料散布を両⽴ 工場 物流拠点 農家の勘と経験でなく、ビッグデータを用いたPDCA コニカミノルタの光学分析技術を盛り込んだ特殊カメラ を搭載 → 上空からの画像で葉の⾊、茎の数を分析 → 窒素やたんぱく質の含有量を産出 調達先 → 育成状況・食味をデータ化 無人ヘリにより施肥料(5平米ごと)を微調整 → 普及品であれば14%の収穫量アップ → 品質と単価が向上し、収入は33%アップ → 20万平米で換算すると、300〜700万円の増収が⾒込める 現場1 現場2 現場3 32 33

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