解剖学(骨)問題作成用1,226文字.docx

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(3) 下端 前後に扁平で,内側方と外側方に広がり,それぞれ内側上顆(medial epicondyle)と外側上顆(lateral epicondyle)という突出を形成する.内側上顆の後面には尺骨神経溝という浅い溝があり,ここを尺骨神経が通る.上腕骨の遠位端で,内側上顆と外側上顆との間は上腕骨顆(condyle)と呼ばれ,関節面をもつ.上...

(3) 下端 前後に扁平で,内側方と外側方に広がり,それぞれ内側上顆(medial epicondyle)と外側上顆(lateral epicondyle)という突出を形成する.内側上顆の後面には尺骨神経溝という浅い溝があり,ここを尺骨神経が通る.上腕骨の遠位端で,内側上顆と外側上顆との間は上腕骨顆(condyle)と呼ばれ,関節面をもつ.上腕骨顆の内側 2/3 の部分は上腕骨滑車(trochlea),外側 1/3 の部分は上腕骨小頭(capitulum)として区分できる.上腕骨滑車は尺骨の滑車切痕と関節を形成し,滑車の前上方には鉤突窩(coronoid fossa)が,後上方には肘頭窩(olecranon fossa)というくぼみがある.肘関節を屈曲したときには尺骨の鉤状突起が鉤突窩に入り,肘関節を伸展したときには尺骨の肘頭が肘頭窩に入る.上腕骨小頭は橈骨頭と関節を形成し,その前上方に橈骨窩(radial fossa)という浅いくぼみがある.肘関節を強く屈曲したときに橈骨頭がここにはまる. なお,外科頸骨折は高齢者に多いが,上腕骨下端部骨折は小児に多く,合併症や治療に注意を要する.また,体表からの触察では,大結節は三角筋を弛緩した状態で肩峰のすぐ下方に触れることができる.内側上顆は肘関節の伸展位,屈曲位にかかわらず容易に触れられるが,外側上顆は伸展位では筋が覆いかぶさるために触れにくく,屈曲位で触れやすい b 橈骨 橈骨(radius)は,前腕の 2 本の骨のうち外側(橈側)に位置する骨で,体と上下両端が区別される. 上端は細く小さいが,下端は大きく肥厚している. (1) 上端 橈骨頭といい,円板状で上面に浅いくぼみがある.このくぼみは上腕骨小頭との関節面となっている.橈骨頭の側面周囲は尺骨の橈骨切痕との関節面となり,関節環状面(articular circumfer-ence)と呼ばれる.この関節面は橈骨切痕に接する部分を除いて輪状靱帯に囲まれる.橈骨頭の下方で急に細くなるところが橈骨頸である. (2) 橈骨体 三角柱状で,外側に軽く彎曲する.内側縁は骨間縁(interosseous border)と呼ばれ,これと尺骨の骨間縁との間に前腕骨間膜が張る.体の前面で,上端近くに内側へ隆起する橈骨粗面(radial tuberosity)があり,ここに上腕二頭筋が停止する. (3) 下端 太く広がり,外側には下方に突出する茎状突起(styloid process)がある.その基部には腕橈骨筋が停止し,先端には外側手根側副靱帯が付着する.下端の内側はややくぼんで,尺骨切痕(ulnarnotch)と呼ばれ,尺骨頭と関節を形成する.下端の下面は手根関節面(carpal articular surface)となり,手根骨(舟状骨,月状骨および三角骨)と橈骨手根関節をつくる. ❽上腕骨下端部骨折 小児が転倒した場合,この部の骨折で最も多いのが上腕骨顆上骨折(内側・外側上顆のすぐ近位で骨折)で,この付近を走る橈骨神経や尺骨神経の麻痺をおこすことがある.さらに,上腕動脈が骨片や腫脹によって圧迫され,前腕,手の循環障害を引き起こすことがあるので,特に注意を要する.また,内側・外側上顆に骨折をおこすことがあり,内側上顆は前腕屈筋群の,外側上顆は前腕伸筋群の付着部であるため, 骨片は転位しやすいので,肘関節の変形を引き起こさないために確実な整復が必要である.

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