薬物分類と作用機序

薬物分類と作用機序

• A1アゴ (頻脈性不整脈): ATPによる作用

• A2A/A2Bアゴ (心不全、頭部外傷後遺症): ATPによる作用

• A2A/A2Bアゴ (虚血性心疾患診断補助薬、育毛剤): アデノシンによる作用

• P2Y12アンタゴ (血小板凝集阻害薬): チクロピジン、副作用は内出血

  • クロピドグレル：チクロピジンより内出血の副作用が少ない

• P2Y1/P2Y2アゴニスト (ドライアイ治療薬): ジクアホソル

• ガストリン受容体拮抗薬 (消化性潰瘍): プログルミド

• ガストリン産生細胞に作用 (制吐薬・局所麻酔薬): オキセサゼイン

• 遺伝子組換えANP (心房性ナトリウム利尿ペプチド): グアニル酸シクラーゼ活性化、利尿、心筋保護作用

  • 副作用: 血圧低下、低血圧性ショック、徐脈 (カルペリチドは例)

• エンドセリンETA、ETB受容体の非選択的拮抗 (高血圧): ボセンタン

  • 副作用: 肝障害

• 選択的エンドセリンETA受容体拮抗作用 (高血圧): アンブリセンタン

  • 副作用: 肝障害

• レニン阻害 (高血圧): アリスキレン

  • 副作用: 血管浮腫、高カリウム血症

• ACE阻害 (高血圧): カプトプリル (~pril)

  • 作用機序：アンギオテンシン変換酵素阻害
  • 作用：アンギオテンシンI減少→アンギオテンシンII減少→血管拡張
  • 作用：アルドステロン分泌抑制、臓器保護作用
  • 副作用: 空咳

• ARB (AT2拮抗 - 高血圧): ロサルタン (~sartan)

• キニン関連薬 (急性膵炎など): ガベキサート (例)

  • 作用機序：タンパク質分解酵素(トリプシン、プラスミン、カリクレイン)を阻害

• キニン関連薬 (ACE阻害薬): カプトプリル

• V型ホスホジエステラーゼ阻害薬 (陰茎機能回復): シルデナフィル (~フィル)

• 活性化ビタミンD3製剤 (骨粗鬆症、慢性腎不全): カルシトリオール、アルファーカルシドール

  • カルシトリオール：作用発現が速い
  • アルファカルシドール：プロドラック。活性型

• 活性化ビタミンD3製剤 (乾癬、魚鱗癬): タカルシトリオール

• 天然ビタミンK1製剤 (補填): フィトナジオン

  • ワルファリンの解毒作用

• ビタミンK2製剤 (補填): メナテトレノン

• ビタミンK3製剤: メナジオン

• ビタミンK拮抗作用 (出血傾向に注意): ワルファリン

• ビタミンB12製剤 (巨赤芽球性貧血): シアノコバラミン

• 鉄分補給 (鉄欠乏性貧血): 還元鉄、グルコン酸鉄

• ビタミンB6製剤(鉄芽球性貧血): ピリドキサールリン酸

• 成長ホルモン放出刺激ペプチド (分泌機能検査): ソマトレリン

• 成長ホルモン分泌促進物質(GHS)受容体結合 (分泌不全症の診断): プラルモレリン

• ソマトスタチンの合成アナログ (消化管ホルモン産生腫瘍): オクトレオチド

• ソマトスタチン2型受容体に親和性のある合成アナログ (先端巨大症、下垂体性巨人症): ランレオチド

• 甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン(TRH)受容体作用(遷延性意識障害): プロチレリン

• 経口投与可能なTRH誘導体 (脊髄小脳変性症): タルチレリン

• D2刺激 (高プロラクチン血症): ブロモクリプチン、テルグリド、カベルゴリン

• LHRH(黄体化ホルモン放出ホルモン)アゴ (子宮筋腫、子宮内膜症): ブセレリン、ナファレリン、リュープロレリン、ゴセレリン、セトロレリクス

• 遺伝子組換えヒト成長ホルモン (低身長症): ソマトロピン

• 成長ホルモン受容体拮抗薬 (先端巨大症): ペグビソマント

• 遺伝子組換えIGF-I (成長ホルモン抵抗性低身長症): メカセルミン

• 甲状腺刺激ホルモン (分化型甲状腺癌検査): ヒトチロトロピン アルファ

• 合成ACTH (副腎皮質機能検査、副腎皮質不全): テトラコサクチド

• 遺伝子組み換え卵胞刺激ホルモン(FSH)製剤 (排卵誘発、精子形成促進): フォリトロピン

• V2アゴ (中枢性尿崩症) : デスモプレシン

  • 副作用：水中毒(水分貯留による)に注意

• V2アンタゴ (水利尿、SIADH治療): モザバプタン、トルバプタン

  • トルバプタン：電解質の排出増加を伴わない水利尿

• 子宮平滑筋収縮 (分娩誘発など): オキシトシン

• 副腎皮質ホルモン (副腎皮質疾患、関節リウマチなど): コルチゾール、プレドニゾロン、デキサメタゾン

• 吸入用ステロイド抗炎症薬 (気管支喘息): ベクロメタゾン、フルチカゾン

• CYP11B1阻害 (Cushing 症候群): メチラポン

• CYP17阻害 (副腎癌、Cushing 症候群): ミトタン

• 3β-ヒドロキシステロイド脱水素酵素阻害 (副腎癌、Cushing 症候群): トリロスタン

• 合成鉱質コルチコイド (アルドステロンの代用): フルドロコルチゾン

• 鉱質コルチコイド受容体拮抗 (カリウム保持性利尿薬): スピロノラクトン

  • 副作用：高カリウム血症

• 鉱質コルチコイド受容体拮抗 (高血圧、心不全): エプレレノン

• 卵胞ホルモン関連薬 (更年期障害、経口避妊薬): エストラジオール、エストラジオールエステル

• 乳腺のエストロゲン受容体選択的拮抗 (エストロゲン受容体陽性乳癌): タモキシフェン、トレミフェン

• 骨組織のエストロゲン受容体選択的拮抗、SERM (骨量増強): ラロキシフェン

• エストロゲン受容体拮抗 (SERM耐性癌細胞、閉経後乳癌): フルベストラント

• エストロゲン受容体拮抗 (排卵誘発、無排卵症): クロミフェン

• アロマターゼ阻害薬 (閉経後乳癌): アナストロゾール

• 黄体ホルモン関連薬 (子宮内膜症): ダナゾール

  • 副作用：心筋梗塞・脳血管障害増加

• 経口投与可能テストステロン (男性の性腺機能不全): メチルテストステロン

  • 副作用：前立腺肥大悪化

• 蛋白同化ホルモン (骨粗鬆症、消耗性疾患): メスタノロン

  • 副作用：女性の男性化、月経異常

• 抗アンドロゲン薬 (前立腺癌、前立腺肥大症): クロルマジノン酢酸エステル、オキセンドロン、フルタミド (~タミド) ビカルタミド

  • その他は5α-還元酵素阻害薬

• 5α-還元酵素阻害剤 (低容量/脱毛症、高容量/前立腺肥大): フィナステリド、デュタステリド

• 甲状腺ホルモン製剤 (甲状腺機能低下症): レボチロキシン

• 甲状腺ペルオキシダーゼ阻害薬 (バセドウ病): プロピルチオウラシル、チアマゾール

  • 副作用：咽頭炎等

• 甲状腺ホルモン合成・放出阻害 (甲状腺機能亢進症): 無機ヨウ素

  • 副作用：大量投与の場合

• 甲状腺集積 (Basedow病、甲状腺癌): 放射性ヨード 131I

  • 妊婦・授乳中禁忌

• 破骨細胞カルシトニン受容体作用 (腫瘍マーカーなど): カルシトニン

  • 作用：血中カルシウム低下
  • 適応：腫瘍マーカー、甲状腺髄様癌の診断、骨Paget病、骨粗鬆症

• 副甲状腺ホルモン関連薬 (慢性腎不全): シナカルセト

• 副甲状腺ホルモン関連薬 (特発性副甲状腺機能低下症): テリパラチド

  • 副作用：高カルシウム血症

• スルホニル尿素 (SU) (糖尿病): トルブタミド、ナテグリミド

• 肝臓での糖新生抑制 (2型糖尿病): メトホルミン

• PPAR (ペルオキシソーム増殖活性化受容体)γ刺激 (糖尿病、脂肪肝): ピオグリタゾン

• αグルコシダーゼ阻害 (糖尿病): アカルボース、ボグリボース

  • 副作用：腹部膨張

• SGLT2阻害 (糖尿病): カナグリフロジン

• GLP-1作用 (糖尿病): エキセナチド

• DPP-4阻害 (GLP-1、GIP阻害 - 糖尿病): シダグリプチン

• HMG-CoA還元酵素阻害 (高コレステロール血症): プラバスタチン (~スタチン)

• PPAR (ペルオキシソーム増殖活性化受容体) α活性化 (脂質異常症): クロフィブラート (~フィブラート)

• ビタミンE製剤 (脂質異常症): トコフェノールニコチン酸

• 抗酸化薬 (酸化LDL阻害 - 脂質異常症): プロブコール

• 陰イオン交換樹脂 (胆汁酸再吸収減少 - 脂質異常症): コレスチミン、コレスチミド

  • 妊婦使用可

• ω3系不飽和脂肪酸 (脂質異常症): エイコサペンタエン酸

• コレステロールトランスポーター阻害 (NPC1L1 - 脂質異常症): エゼチニブ

• 好中球遊走抑制 (痛風): コルヒチン

• キサンチンオキシダーゼ競合阻害 (痛風): アロプリノール

• キサンチンオキシダーゼ選択的阻害 (痛風): フェブキソスタット

• 尿酸排出促進 (痛風): プロベネシド

• 骨のハイドロキシアパタイト結合 (骨粗鬆症): アレンドロン酸

• RANKL (破骨細胞分化因子 - 骨粗鬆症): デノスマブ