経済学説概要: 重商主義と重農主義

重商主義と重農主義 (16～18世紀)

• 絶対王政下のヨーロッパでは、貿易から得られる利益が国家の富の源とみなされた。

• 重商主義は国内産業保護政策を実施し、輸出を増やすことを重視。

• トマス・マン（1571-1641年）は重商主義の代表的経済学者。

• ケネー（1694-1774年）は国家・社会の富は農業生産から生まれると主張し、重農主義を提唱。

古典派経済学 と 歴史学派 (18世紀後半～19世紀)

• 産業革命後、資本主義が発展し、古典派経済学が台頭。

• アダム・スミス（1723-1790年）は『国富論』で自由放任主義（レッセフェール）を提唱し、「神の見えざる手」で市場のバランスを保つと主張。

• 政府は国防・司法・公共事業に限り、経済活動には干渉しないべきと強調。

• マルサス（1766-1834年）は『人口論』で、食糧の増加が算術級数、人口は幾何級数であるため、人口抑制を提唱。

• リカード（1772-1823年）は『経済学及び課税の原理』で比較生産費説に基づく自由貿易を主張。

• ドイツのリスト（1789-1846年）は、発達の遅れた産業には保護貿易が必要と指摘。

近代経済学派 (20世紀)

• 1929年の世界恐慌から深刻な不況と失業が発生。

• ケインズ（1883-1946年）は『雇用・利子および貨幣の一般理論』で政府の介入を強調し、公共投資を通じて有効需要を創出するべきと主張。

• これにより、景気回復と失業者減少を図る方策を提唱。

• 国債発行による通貨供給増加が財政赤字をもたらす危険性を指摘。

• フリードマン（1912-2006年）は『選択の自由』で自由放任主義の復活を主張し、経済成長に見合った通貨供給が経済の安定をもたらすと提唱（マネタリズム）。